医療保険は、帝王切開のイノチヅナ

私は2006年に結婚しました。

1年間は夫婦2人きりの生活を楽しもうと子どもは設けていませんでしたが、結婚してちょうど1年後の2007年、初めての結婚記念日に、妊娠が発覚しました。

妊娠発覚が結婚記念日ということにも驚きましたが、出産予定日を聞いてさらにビックリ、なんと主人の誕生日だったのです。

妊娠検査薬にて陽性反応を確認した後、このあたりでは有名な、個人の産婦人科に出産まで一貫してお世話になりました。

妊娠中の経過は目立った以上もなく、病院のマタニティサークルに参加したり、自治体が主催するパパママ教室に参加したり、安定期にはいると医師の許可を得て、夫婦2人で旅行できるのもあと10何年はないね、と京都へ安産祈願もかねて旅行にいったりと、初めての妊婦生活を楽しみながら過ごし、ついに出産の日を迎えました。

予定日より5日早い日のお昼頃におしるしを確認し、それと同時に陣痛が始まりました。お昼をまたぐころには陣痛も10分間隔になり、午後からお休みをいただいて帰宅した主人に連れられて病院に到着しました。

診察の結果、子宮口も6センチまで開いているということで、即入院、陣痛室へと通されました。

陣痛室での経過も順調で、付き添っていただいた助産師さんからは「安産コースだからね〜。マラソンでいえばもう最後の競技場に戻ってきたところくらいだから。」と言われ、あぁ、この痛みもあと少しで終わるんだ、と安心したことを覚えています。

しかし、マラソンでいえばもうゴールはすぐ目の前と言われたところから一向にお産が進みません。

痛みはどんどん激しくなり、いきむことも許可されて星空を再現した人気の分娩室に移動してもなお、お産は一向に進まず、そのまま4時間が経過しました。

そこで更なる詳しい診察を受けた結果、児頭骨盤不一致という病名が告げられました。私の骨盤が広がらず、最後のところで子どもがでてこれないのです。

緊急帝王切開術が行われ、無事に息子が誕生しました。

私は予定外の手術により、1週間の入院を余儀なくされました。

事前の予定では、普通分娩で4日の入院の予定でいましたので、金額もそれだけの日程でしか予想していませんでした。

1日の入院費用は¥5,000で単純に入院費だけでも倍近くになりますが、それに加えて帝王切開を行っていますので最終日の請求の際には
請求額を聞くまで本当にドキドキしたものです。

妊娠中に異常がなかったため、妊娠には健康保険が適用できないものと思い込んでいましたが、実際には帝王切開や、それに伴う処置に関しては医療行為ですので健康保険が適用され、請求総額は¥420,000でした。

当時は出産一時金は当時、後からの受け取りでしたので、窓口では一時的に貯金から持ち出しで全額支払いましたが、後に一時金の¥320,000を受け取りました。

そして退院後、妊娠前から何気なく加入していたコープ共済の女性保険が適用されることを生協の配達員の方に教えていただきました。

コープ共済には私の結婚が決まったときに母親から強く勧められ、2006年より加入していましたが、生協の毎週の配達の購入額と一緒に銀行引き落としになるため、何も買い物をしなかった月にも保険金の¥2,000が引き落としになるのでなんだか損したような気持ちで支払い続けていたのが本心でした。

ところが、自分が実際に出産時に異常があり、緊急手術を行ったことによって、保険に加入しておいたことの重要さを身に染みて感じることになりました。

コープ共済は請求も簡単で、領収書と診断書を提出したのみだったと記憶しています。

実際に支給された保険総額は¥100,000、これと出産一時金を合わせても産婦人科に支払った費用はまかなえます。

それに加えて私の場合は、健康保険の高額医療費と、主人の職場の職員組合から手術見舞金、入院見舞金、出産祝い金と次々と振り込みがありました。

結果的には普通分娩で予定していたより、かなりのプラスになりました。

ただ、心情的に一番心の支えになったのは、個人で加入していたコープ共済でした。

女性はいつ妊娠、出産するかわかりませんし、妊娠・出産でどれほどのトラブルが発生するかもわかりません。

しかし、妊娠してしまってからは、なかなか医療保険に加入できなかったり、加入できても掛け金が高くなることはあまり知られていません。それだけ、妊娠出産はリスクを伴うものなのです。

さらに、子どもが生まれてから我が家の保険を見直しましたが、そのときに初めて、帝王切開をしてからはどこの会社もだいたい3〜5年は
加入できないか、掛け金が、かなり高くなることを知りました。

妊娠してからリスクに備えようと思っても遅いのです。

結婚が決まった日に、いの一番に女性保険に加入することを強く勧めてくれた母に今は感謝しています。これから結婚、妊娠出産を考えておられる方々には、ぜひ、今のうちからの医療保険の加入を検討していただければと思います。